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2006/07/11//Tue.
いつの間にか梅雨は過ぎ去り、蒸し暑い日が続いている。
北海道育ちの僕にとっては、内地(本州)の暑さは体にこたえる。今日も汗をかきすぎて、白いTシャツの脇の部分を黄色く染めてしまった。
こんな季節になってからは、授業中が至福の時間となる。クーラーが効いているからだ。僕はこの季節になると、必ず学校に行くようになる。我が家の電気代を節約するために
――そして今日も僕は学び舎へと足を運んだ。テストが近づいてきたということもあり、教室内は、いつもより人が多いような気がした。僕はお気に入りの「クーラー席」
――僕が発見した最も涼しい場所
――へ座り、講義ノートを鞄から取り出した。
すると突然、見知らぬ人が僕に話しかけてきた。「となり、イイっすか」
僕は得意のスマイルをひけらかし、彼をこの大学内に出現した桃源郷、もといクーラー席へと招待した。「どうぞ、座ってください」
「じゃあ、49ページから53ページまで読んでください」
頭の禿げた教授がそう言うと、教室内は静寂に支配された。真面目に教科書に目を通す人、睡眠をとる人、携帯電話をいじっている人など、その行動は様々であったが、談笑をしている人など誰もいなかった。
どうせテスト範囲なんだから今のうちに見ておこう
――僕は真面目ぶって教科書に目を通していた。
その時だった。
隣の男がなにやら不審な動きを始めた。
カチカチ……カチカチ……
ボールペンの芯を出し入れしてる
――この行動に何の意味があるかはわからない。いや、意味なんてなかったのだろう。無意識のうちに始まってしまった行動に違いない。
とても耳障りだった。教室内が静かなぶん、その音はよけい耳に障った。そんな僕の気持ちを知ってかしらずか、彼は、ボールペンカチカチを辞めて、机の中に手を入れた。
やっと静かになった。意識を教科書に戻す。
その時だった。
ツツタツ……ツツタツ……
8ビート刻んでる
――その後もボールペンカチカチと、奇妙な8ビートは続いていた。真面目モードの僕は説教の一つでもしてやろうと思ったが、いかんせん彼は他人である。それに、きっと悪気はないのであろう。僕は温厚な気持ちで黙っていた。
その時だった。
彼の携帯電話のバイブが鳴った。
そしてあろうことか、彼は――
机の下に隠れて、小声で話し始めた。
(「もしもし、うん、今授業中、じゃあねー」)おそらく、とても気を使っているのであろう。内緒話をするかのように声を潜める彼。
ていうか、気ィ使ってんなら電話でるな。
そんな小さな音が気になっていた一日。

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