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2006/06/13//Tue.
そうだ、図書館に行こう
よく晴れた昼下がり。
僕は目覚めと同時に妙な違和感を覚えていた。
それは成人男性としては、ごく普通のことかもしれない。

しかし今日に限って、滅茶苦茶痛いのだ。
二つの大きな力がぶつかり合っているようだった。
言うなればこれは「かめはめ波」対「ギャリック砲」
さしずめ僕はサイヤ人の王子べジータ。
喰らえ、カカロット。
しかしこの場合、界王拳を併用した孫悟空に軍配が上がることになる。

まあ、要するに、僕の下半身はもっこりしていたのだ。

そんな息子の急成長ぶりには目を向けず、僕は布団を片付けた。
天気は良い。目覚めも悪くない。朝立ちも完璧だ。
これほど気分の良い日はそうそうあるものではない。

昨晩読んでいた少女マンガ、「恋愛カタログ」の続きを読もうと思ったが、朝から心がピンク色になってしまうことだけは御免被りたい。
僕は恋カタをそっと本棚にしまった。種ちゃん、申し訳ない。

さて、今日の授業は休講だ。
夕方のバイトまでは時間がある。
ナニをして遊ぼうか。うふふ。

そこで僕はあることに気付いた。
図書館で借りたビデオと書籍を延滞しているではないか。
なんてこったい、バカバカ自分。

しかし幸いなことに、今日は時間がある。
そうだ、返すついでに何か新しいものを借りよう。

僕は借りたままだった「星の王子さま」のビデオと、数冊の書籍を乱雑に鞄へ詰めこんで自分の部屋をあとにした。

まずは延滞していた書籍とビデオを返さなければ。
図書館へ到着するなり僕は、書籍の返却カウンターへ足を運んだ。

そこでは少しお歳を召していらっしゃる老婆が応対してくれた。
彼女は僕が延滞していたのにも関わらず、何も言わずににっこりと微笑んでくれた。その笑顔は聖母マリアを思わせる。

そして僕は確信した。
彼女は多分、僕に惚れている。


その気持ちはありがたい。
しかし交際を受け入れることは出来ない。せめて茶飲み友達程度だ。
僕は目配せをして彼女に別れを告げた。
運命は残酷だ。同じ時代に生きたかったよマリア。

書籍の返却はバッチリだ。次はビデオを返却しよう。
僕は隣の返却口に座っている女性にビデオのケースを渡した。
彼女はそのケースの中身を確認する。
そして何故か僕の顔も確認している。

おそらく、「星の王子さま」を借りるような人間に見えないのであろう。
人を見た目で判断している典型だ。憤りを感じる。
いいじゃねえか、この顔でメルヘンでも。


でもいいの。
あたし、ヘコたれへんっ。


2~3回僕の顔とビデオを見比べた後、彼女は怪訝そうな顔で呟いた。


「あのう……」
「なんでしょうか」

僕は明らかに不満げな声を出していた。
彼女は怯むことなく続けた。

「これ……」

そういって彼女は、ビデオの中身を僕に差し出した。
なんだよ、どうしたんだよ……

……はうっ!

僕はそのビデオのラベルを見て、後ろに仰け反ってしまいそうになった。



「たわわな欲望 蒼井そら」



僕は火を噴きそうな顔を隠して、一言「すいません」といってその場を後にした。


部屋へ戻ると、AVに埋もれて隠れている「星の王子さま」があった。

「本当に大切なものは、目に見えないんだよ?」

それからしばらく、この言葉が僕の脳内でリフレインしていた。
星の王子さまのビデオは、未だに僕の部屋で延滞中である。


 




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