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2006/06/18//Sun.
サザエさん症候群
開け放した窓からは涼しい風が入り込んでいた。
梅雨時期の鬱陶しい蒸し暑さから、一瞬だけ解放されたような気持ちになった。

いつもより少し早めの入浴を済ませた僕は、冷蔵庫の中から充分に冷え切ったビールを取り出した。時にはこんなのんびりとした休日も必要だろう。

時刻は18時25分を回っていた。普段テレビを見ない僕は、何故だか今日に限ってテレビの電源を入れていた。そしてすぐに、ブラウン管から懐かしい声が聞こえてきた。
サザエでございます――

今日も彼女はオープニングから、お魚くわえた野良猫を追っかけていた。もちろん、裸足で駆けている姿は愉快なこと極まりない。みんなが笑っている。僕も笑っている。今日もいい天気だ。

こうやってサザエさんを見るのはいつ以来のことだろうか――
おそらく、大学に入ってからの3年間では初めてのことだろう。ということになれば、高校時代か、それより前の話になる。

あの頃から僕は、どれだけ成長したのだろうか……?

しかし、何も変わらないブラウン管の中の磯野家を見て、必ずしも変わることが良いものではないということを痛感した。だってそうだろ、もしワカメちゃんが成長して、「今日はダメな日なの……」なんて言ってみろ。相手は中島君だ。そこらへんに散在しているAVより興奮するじゃないか。

そんなことを思いながら、僕は愉快な磯野家(含むフグ田家)の日常を覗いていた。三本立てのうちの二話が終わり、三話目に突入していた。本日最後の話は、ワカメの幼少時代の話だった。


まずは「タラちゃんは可愛かった」という会話から始まった。それを聞いてプンスカと拗ね始めるワカメ。彼女は悲しそうにこう言った。
「どうせわたしは可愛くなかったんでしょっ!」

それは「いやいや、そんなことないよ」という答えを期待しているようにも聞こえた。女性同士の会話にありがちな、「○○ちゃんは可愛くていいよねー。あたしなんて……」というものと同様の言葉だ。彼女の中に潜むずる賢さを垣間見たような気がした。

そしてそこからは、期待通りの「いやいや、ワカメも可愛かったのよー」という言葉をきっかけに話は展開していった。

当時の思い出の写真には父である波平がほとんど写っていない。それを見てワカメ酒は、またもふて腐れてしまった。
「やっぱり、わたしは可愛くなかったのね」



ばか者。



仮にも「日本の理想の家庭」といわれている磯野家だぞ。滅多なことをいって国民に不信感を抱かせるではない。押し倒すぞこの海女。

そうこうしているうちに、次は回想シーンが始まった。まだワカメが赤ちゃんのころだ。お世辞をいうわけではないが、その頃のワカメちゃんは充分かわいらしい女の子だった。


波平とフネもまだ若くて……



って、今と全然かわらねえ――



大丈夫だったのか。ということは、フネにも「女の子の日」が来ていたわけだ。波平は相変わらずのヘアースタイルで、現在の姿と違うところは全くなかった。

唯一違うところといえば、波平の服装が若干カジュアルだったことであろうか。水色のTシャツを着こなす彼は、まさに「チョイ悪オヤジ」だった。いかすぜ、いかすぜ波平。

そしてそのTシャツの胸に書かれている「N」という字が、彼のオシャレ度をさらに向上させていた。波平の「N」かどうかは定かではないが、この「N」を見たとき僕は思った。



ナウいじゃん――



僕が彼のファッションセンスに脱帽しているうちに、物語は終わっていた。そして流れ始めるエンディングテーマ。迫り来る「サザエさん症候群(シンドローム)」

これは日本人に共通していることであろうが、僕も例に洩れずやってしまった。週末の終わりを告げる音楽が、心を空虚にさせる。明日からまた学校か……


それでも僕は、久しぶりにこの症状に陥ったことに少しだけ喜びも覚えていた。日本で生きているということ、日本人であること、そして日本にあるべき家庭の姿を再確認できたような気がした。

ありがとう、サザエさん。



たとえ最終学歴が「アワビ女子学園卒」であろうとも――



あなたは国民的スーパースターだ。






 

↑ブチっと押し潰そう。
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